休校に伴う保護者の賃金補償が決定!制度内容と対象者を解説

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休校 保護者 助成金

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの ことり です。

小学校などの臨時休校で、働くママたちはとんでもなく大変な状況になっていますね…。

子供が家にいるため、仕事を休まなければいけなくなったママたちからは、3月のお給料が…と経済的負担を心配する声も少なくありません。

そんな中、2020年3月2日に新型コロナウイルス関連でこんなニュースがありました。

「休校で休業、日額8330円上限に賃金全額補償 厚労省」(日本経済新聞)
「臨時休校で有給休暇、賃金を全額助成…厚労省が保護者支援」(読売新聞)

厚生労働省が、休校した子供の保護者を対象に助成金を出すというのです!

ただ、報道されている情報だけでは分かりにくい部分があるなぁと感じたので、助成金の対象者や条件、補償される金額などをまとめました。

追記
  • 2020/3/31:対象期間が3月末から延長されたため記事を更新しました。
  • 2020/3/10:厚生労働省より3月9日に助成金の詳細案が公表されたため、記事の内容を更新しています。

厚生労働省が新設した助成金制度

まずは、厚生労働省が発表した内容がこちら↓(あとで解説するので、原文は読み飛ばしてもいいです)

【小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援(新たな助成金制度)】

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規・非正規を問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金を創設。

なんとなく、仕事を休まなければいけなくなって困っている保護者への救済措置である雰囲気は伝わりますが、「分かりにくい!」ってことで、内容を詳しく解説していきます。

【厚生労働省】新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援(新たな助成金制度)について(2020/3/2)

【厚生労働省】新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金の創設について(2020/3/9)

助成金の対象期間

令和2年2月27日 ~ 6月30日

※3月31日までの期間が延長されました

安倍首相が、全国の小学校・中学校・高校などへ一斉休校を要請した27日をスタートとして、3月31日6月30日までの期間が対象になります。

対象となる保護者 条件①

賃金補償(助成金)の対象者となる保護者というのは、

新型コロナウイルス感染拡大防止策として、休校になった小学校などに通う子供の保護者

もしくは

・新型コロナウイルスに感染した

・風邪症状などで新型コロナウイルスに感染したおそれがある

・感染者の濃厚接触者

のどれかに当てはまる子供をもつ保護者

です。

ここでいう「休校になった小学校など」というのは、主に以下の施設のことです。

・小学校
・幼稚園
・保育園(保育所・認可外保育施設・家庭的保育事業等)

・認定こども園

・子どもの一時的な預かり等を行う事業
・義務教育学校(小学校過程のみ)
・特別支援学校(すべての部)
・学童保育・放課後児童クラブ、放課後等デイサービス

・各種学校(幼稚園または小学校の課程に類する過程を置くもの)など

※障害児については、高校の課程相当まで対象。通所支援を行う施設も対象。

一方で、以下の施設に通っている子供の休校は、対象になりません。

×中学校
×高校

ことり

中学生や高校生は、保護者が仕事を休んでまで面倒みなくても大丈夫でしょってことみたいです…。

なお、インターナショナルスクールなど、日本の法律上「幼稚園」や「学校」と認められていない施設については「各種学校」に該当すると考えられます。

注意

保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外です。

休校の定義は、対象となる学校が臨時休業した場合か、自治体や施設から可能な範囲で利用を控えるよう依頼があった場合です。保育園の自主休園も対象です。

対象となる保護者 条件②

・子どもの面倒を見ている親権者、祖父母、里親、未成年後見人

・子どもの世話を一時的に補助する親族

3月9日に追加発表された詳細案にて、ママ・パパ以外にもおじいちゃんおばあちゃんなどの親族も対象になることが決まりました。

例えば、共働き家庭で両親が仕事を休めず、代わりに祖父母が仕事を休んで子供のお世話をするケースでは、祖父母が勤務先での特別有給休暇の対象になれば、助成金の対象になります。

対象となる保護者 条件③

年次有給休暇ではなく、特別有給休暇を取得して休んだこと

ここ!
この要件に気を付けてください。

通常、会社で取得できる有給ではなくて、今回の新型コロナウイルスの件で特別に支給された有給を使って休んでくださいね、ってことなんです。

そんな特別な有給、うちの会社にあったかしら?

と思う人もいると思いますが、ここに政府が求めている本質が含まれています。

政府が求めていること

今回の賃金補償で、政府は会社にこんなことを要求しているんです。

「休校でやむなく仕事を休まなければならない親に配慮してあげてくださいね」

「有給を消化させるんじゃなくって、今回の件は特別休暇扱いにしてあげてくださいね」

「休んだとしても、有給と同じように、お給料を出してあげてくださいね」

「その代わり、その分の賃金は全額補償しますよ。だから、特別有給休暇を取得させてあげてくださいね」

と、ざっくりこんな感じ。

つまり、政府は今回の休校の件で、あまりにも保護者の負担が大きすぎるため、助成金を出すから保護者が休みやすいようにしてあげてほしい、と会社にお願いしているんです。

逆の捉え方をすれば、

・年次有給休暇を消化するように指示する会社

・自己都合の欠勤扱いにする会社

こういった「保護者に負担を押し付けている会社」に助成金は出さないよーという政府の方針とも受け取れます。

MEMO

今回の特別休暇制度については、就業規則などで整備されていなくても、要件にあてはまれば制度の対象になります。

対象となる有給休暇の範囲

3月9日に発表された詳細にて、対象となる休暇の具体的な範囲が決まりました。

・春休みや日曜日など、もともと学校が休みの予定だった日以外の日

・学童などは、本来施設が利用可能だった日

半日単位や時間単位の休暇も対象

半日単位の休暇については、「学校はお休みだけど午後から学童へ通う」といったご家庭で、両親が午前休を取得するケースを想定しているようです。

ただし、勤務時間の短縮は休暇ではないため対象外となっています。

対象外となる保護者

今回発表された助成金ですが、残念ながら「会社の従業員であること」が大前提となっています。

雇用保険に入っていれば、正規でも非正規でも対象です。(財源は雇用保険)

勤務時間が週20時間未満のパートさんなども制度対象です。(財源は国の一般会計)

ただ、有給が支給されないかたちで働いているパートママは、対象外になる可能性もあります。

また、自営業者やフリーランスとして働く個人事業主の保護者はまったく補償されません。

ことり

私も個人事業主なので、今回の賃金補償の対象外ですね…。
フリーランスの休業補償が決定!

2020年3月3日、菅官房長官がフリーランスや自営業者にも措置を講じる考えを示してくれたそうです。

※追記※

3月10日に個人で仕事をする保護者向けの支援策が発表されました!詳しくは、こちらの記事で解説しています↓

【関連記事】休校に伴うフリーランスや自営業の休業補償が決定!支給条件と対象者を解説

支給金額

今回の助成金は、あくまで「会社(事業者)」へ支給されるものです。

特別休暇中に支払った賃金相当額 × 10/10

※ただし、1人あたり日額8,330円が上限
※大企業、中小企業ともに同じ金額

特別有給を取得させて、その期間の賃金をちゃんと支払った会社には、その休暇の賃金分は補償しますよー!ってことなんですが、上限が設定されています。

日額8,330円っていう金額は、失業給付の上限とそろえたみたいですね。雇用保険の財源を使うことを踏まえたようです。

ことり

ちなみに、お給料がこの上限をオーバーしているときの差額は、会社が負担しなければなりません。

個人的に気になるのは、各報道機関(日経新聞や読売新聞など)では「賃金全額補償!」なんて見出しを使っていますが、これでは全額とは言わない気がしますけどね…。計算式が10/10だから「全額」って表現になるんだろうか?

臨時休校の保護者への支援はそれだけでいいの?

今回発表された、賃金補償・助成金の内容はここまでです。

助成金の支給は会社へされるものなので、ママたちが必要な手続きは特になし。ただし、会社側が特別有給休暇を支給するために、何かしら書類を書かされる可能性はあります。

とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大で急いで創設された制度なので、

・こういうケースは?
・こういう形で働くママは?
・うちの会社はちゃんと対応してくれるの?

と、まだまだ問題は出てきそうです…。実際に、助成金の申請手続きはまだ具体的に決まっていません。会社の担当者も、どうすればよいかこれから検討していくことになるでしょう。

会社側が、この助成金をうまく活用してくれること、そして特別休暇をしっかり支給してくれること、を応援するしかありません。

新しく分かったことなどあれば、引き続きブログでお知らせしていきたいと思います!

臨時休校で仕事を休まなければいけないママもそうだし、そういう同僚たちのフォローで人手不足になってる職場もそうだし、とにかく今は色んな事に振り回されっぱなしで大変な時期だと思います。

新型肺炎の感染拡大が止まり、一刻も早く事態が収束することを切に願います。

【追記】仕事を休めないママへプチ情報

いろんなカタチで活躍する女性が多い中、仕事を休めないママも多いでしょうし、助成金を会社が活用してくれず収入に困ってしまうママもいると思います。

そんなママたちに今だからこそ知っておいてほしいサービスをご紹介しておきます。

一斉休校 お昼ごはん

🌸家事代行CaSy(カジー)

人気No.1の家事代行サービス「Casy」では、3月2日から臨時休校支援として「5日分お弁当つくりおきプラン」をスタートしています。

小学生だけでなく、中学生・高校生がいるご家庭も対象で、料金も4割引き!何度でも利用OK!登録無料なので、ぜひチェックしてみてください。

>休校中の子供のお昼ごはんに悩まない!5日分お弁当作り置きプランの紹介by家事代行カジー

🌸キッズライン

🌸ピックシッター

ベビーシッターを探せるサイトです。どちらも無料で登録できて、急な依頼にも対応してくれます。お昼ごはんだけでも作りに来てほしい…といった家事代行サービスとしても利用OK。

とにかくいろんな手段を検討してみてください。ママの負担がなるべく少なくなりますように。

 

5 COMMENTS

Taty

こんのちは!
初めまして!
すっごくわかりやすい解説ありがとうございます!
すごく参考になりました!
このブログを元にポルトガル語に翻訳してもいいですか?

返信する
ブログ管理人 ことり

Taty 様

コメントありがとうございます!
参考になったようで、とても嬉しいです(*´▽`*)

>このブログを元にポルトガル語に翻訳してもいいですか?

こちら、使用用途が分からないのですが、
ブログの内容を参考にしていただく分にはかまいませんよ♪
その場合は、引用の範囲でお願いします。

ブログを丸々翻訳して、新しく記事として公開するような使い方はご遠慮いただければと思います。

ことり

返信する
匿名

お返事ありがとうございます!
参考にさせていただきます!
保護者以外祖父母も対象になることや中学生高校生の保護者は対象外だという部分などポルトガル語で自分のインスタグラムに載せたいと思いコメントしました!

ありがとうございます!

返信する
匿名

会社がこの制度を利用する気がなく、
理由を求めるとそちらの都合でしょ?知りません的な言葉まで
言われて補償されない事もですが、そのような考えの
会社だった事がショックです・・・

返信する
ブログ管理人 ことり

コメントありがとうございます。
それはショックですね…。

今回の新型コロナウイルスの件で、
会社向けの制度や助成金はいくつも新設されてるんですが、
どの制度にも共通しているのが

「会社が自主的に制度を活用すること」

なんですよね。

情報収集をしっかりやっている会社、
社員のために活用している会社、

と、

そうでない会社

で、社員の待遇格差がでてきてしまっているのは
本当にやるせないというか…

せっかくある補償なんだから、
しっかり活用してほしいですよね…

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