【IRの裏話⑦】IRへ問い合わせる前に知っておくべき9つのこと(後編)

IR 問い合わせ

前回の記事「【IRの裏話⑦】IRへ問い合わせる前に知っておくべき9つのこと(前編)」の続きです。

前回の記事では、IRのお問い合わせについて

①あまり歓迎していません
②IRが話せるのは公表している事のみ
③インサイダー情報の質問はお断り
④メールと電話どっちがいい?

など、IR側の意見を書かせていただきました。

後編では、具体的なアドバイスや事例もご紹介しながら、より深く「IRへのお問い合わせ」について書いていきます。

ことり

温かい心で読んでいただけると嬉しいです。
注意
この記事はあくまで裏話であって、会社公式のものではありません。ですので、「どの会社のことかな?」など詮索することはご遠慮ください。

⑤IRへ電話で問い合わせるときのポイント

前回の記事ではいろいろと書かせていただきましたが、IRへ電話することは決して悪いことではありません。

ですので、IRへ電話してみたいなって方のために、いくつかのアドバイスをお伝えしていきます。

個人投資家・株主であることを伝えよう!

電話で問い合わせをしたときには、まず初めに「個人投資家です」「株主のものですが」と、自分が何者なのかを伝えるようにしましょう!

「投資家」と言うよりは、「株主」と言ったほうが対応が良くなるかも?

自分の名前も伝えよう!

IRは、かかってきた電話の内容を記録しています。

録音機能を設定している会社もありますが、そうでない場合も、日時、性別、年代、名前、話した内容、通話時間、(分かれば)電話番号などをメモしています。そして、電話での問い合わせに対応する前に確認するようにしています。

私のいた会社では、こちらからあえてお名前を聞くようなことはしていませんでしたが、教えておいてもらえると「あ~、先月ご連絡くれた○○さんね」と分かります。

初めて電話をくれた人よりは、2回目の人のほうが、こちらもお話ししやすかったりします。

応援メッセージや感謝を伝えると好印象!

IRも人ですからね。「いつも応援しています!」とか「毎年、優待をありがとうございます」とか「増益おめでとうございます」とか言ってもらえると、すごく嬉しいです。

もしかしたら、そのあとの会話も良い雰囲気でできるかも?

長電話をしない!質問は3つくらいまでにしよう!

せっかくIRに電話したのだから、アレもコレも、と聞きたくなる気持ちも分かります。

けれど、それに付き合うほどIRは暇ではないですし、優しくもありません。

どんなに優しい担当者でも、ダラダラと質問が続くようであればだんだんと塩対応になり、早く終わらせてくれオーラを出すことでしょう。

質問は要点を絞って、1回の電話で3つくらいまでにしておくのがいいと思います。

ことり

参考にしてみてね~

⑥会社のHPやIR資料は見ておく

ことり

IRからお話しできることはすべて公表してるので、問い合わせ前に下調べをしておいてもらえると、ものすっごく助かります!

まずは、ホームページをチェックしてきてください。

よく質問されるような内容は、大体載せていますので。

株式投資の情報収集をしたい方は、IR資料は読んでおいてくださいね。少なくとも、直近の「決算説明会の資料」「決算短信」は見ておいてもらわないと話にならないです。

そうでないと、こちらも「ここに書いてあるので、読んでください」っていうお答えになっちゃいます。

ことり

「こいつ、何も下調べせず問い合わせてきたな~」って思われると、塩対応される可能性大です。
めんどくさいけど確認しておくか~

カラス

⑦質問する内容はあらかじめ決めておく

IRへの電話って、緊張すると思うんですよ。どんな人が出てくるか分からないですし、淡々とした口調で対応されることも多いです。

なので、聞きたいことは事前にまとめておくのがおすすめです。

他にも、どの資料に書かれていることについて聞きたいのか、具体的に言ってくれたほうが答えやすいです。

「○月○日に発表された△△という資料を読んだんですが、◇ページに書かれている内容についてお聞きしたくて~」

とか

「最新の決算短信を読みましたが、○○の金額について△△ではないかと思っているのですが、どういう理由でこのような金額になっているのでしょうか?」

とかね。

ことり

こうやって具体的に要点をおさえて質問してくれると、求められているものに近い回答がもらえるんじゃないかなと思います。

とはいえ、ここまで具体的に質問したとしても「資料に書いてあることがすべてですので、それ以上はお答えできません」ってバッサリ切られることもあるんですけどね。

⑧IRにはクレームも多い

ことり

あとね、意外と大事なのが、問い合わせのときに「質問をしたい」ってことを伝えることかな。
それがどうして大事なんだよ?

カラス

ことり

IRには、日々色んな問い合わせがくるんだよね。だから、どういう対応を求められているのか?っていうのが最初に分かると、とってもありがたいんだよ。

ここまでは、IRへの「質問」を前提にお話してきました。しかし、IR宛ての問い合わせにはとんでもない内容も数多く届きます。

「御社の株を買ったけど、まったく利益が上がらない。どうしてくれるんだ?」

「今日はなんで株価が下がってるの?」

「配当金をもっとあげろ!」

「こんなに株価が下がってるんだから、自社株買いしてよ!」

などなど、最初っから強い口調で問い合わせてくる方も多いです。

ことり

貴重なご意見はありがたいんだけど、「そんなこと言われても…」っていうのが本音だったかな。特に株価の値動きについては、こちらからコメントのしようがないんですよね。

私の経験からすると、IRへ届く問い合わせの半分は、こういったご意見やクレームでした。

だからこそ、あなたが問い合わせをするときには「私はクレーマーじゃないですよ!純粋に質問がしたいんですよ!」ってことが最初に分かるとありがたいなぁということです。

これについては、ちょっと興味深い事例があるのでご紹介しますね。

KLab株式会社(3656)のIR電話廃止の事例

KLab株式会社は、東証一部上場のスマホ向けゲーム会社です。ゲーム会社としては、そこそこ有名なので知っている方も多いんじゃないでしょうか。

でね、この会社が2017年にIRの電話対応を廃止してるんですよ。しかも、その理由をはっきりと公開されていて、

理性的・合理的な問答が困難なケースがあったため
IR業務の効率化や合理化をすすめるため

とのこと。

IR 電話 廃止

(引用元:2017年8月8日「2017年 KLab個人投資家向けフォーラム(動画配信)」PDF資料

「理性的・合理的な問答が困難なケース」ってどんなケースだよ?

カラス

ことり

これについてはね、動画の中で社長が具体的に話しているから紹介するね。

社長の発言を簡単に書き起こすと、以下のとおり。

・株価が下がった直後に、過去最高記録で言うと、同じ人が1日何十回も電話してきて、合計8時間くらい同じことをずっと言い続ける

・「なんで株価下がったんだ!」「なんで株価下がったんだ!」と8時間言い続ける人がいる

・完全にストレスのはけ口と勘違いされている

・『この人、職業何だろう?』と思うような言葉遣いで罵声を浴びせられたこともあった

(動画は<こちら>から見ることができます。)

と、こんな具体例を踏まえながら、社長自らIRの電話廃止の理由を説明されていました。まぁざっくり言えば、迷惑な電話が多すぎるから廃止しますってことですね。

私自身は、ここまで極端な例に遭遇したことはありません。

ただ、IRの先輩からは「ほぼ1日、電話対応で会議室に缶詰めだったことはある」と聞いたことがあります。

ことり

ほんと、IRには色んな人が電話をしてくるんですよ。

⑨IRは忙しい

でね、このIRの問い合わせなんですけど、もちろんIRの担当者が直接対応するわけで、オペレーター業務専門の人がいるわけではありません。

IRだって、いろんな仕事を抱えています。

資料作成や分析などのデスクワークも多いですが、投資家とのミーティングや取材対応など席を外している時間もけっこうあります。1日のスケジュールが取材対応で終わることも。

しかも、この業務を少数精鋭でこなしているんです。

私がいた会社は、IR担当は私を含めて2人だけで、サポートスタッフが1~2名いる程度でした。

だからね、電話をもらってもタイミングが悪いことなんてしょっちゅうで、「後ほど折り返します」って対応を何度もしていました。

それほど忙しい中で、IRの問い合わせ対応もしているんだ、というのは知っておいてもらえるとありがたいなぁ…なんて。

ことり

あくまでこちらの都合ではありますが、それでも、せめて、あなたにこの声が届けばいいなぁ…

IRだって人間だもの

ことり

こちらの言い分が少し多くなってしまった気もするけれど、そういう部分は小娘の戯言と思って聞き流しておいてください。IRだって人間だもの。
どこかで聞いたことがあるようなセリフが出てきたけど、まぁ、問い合わせ対応で苦労してたのは伝わったよ。

カラス

ことり

できるかぎり株主のために最善を尽くしてあげたいけれど、話せないことが多いっていうのもIRの悩みどころなんだよね。

株式投資って、個人の方からすれば大切な大切なお金の運命を左右することじゃないですか。株主様だったら、会社のオーナーでもあるわけです。

そして、その個人投資家・株主と会社を繋ぐのがIRです。私は、とてもやりがいのある仕事だと感じていました。

でもね。

IR担当だって人間なんです。

忙しいときに電話がきて、資料に書いてあるようなことをダラダラと聞かれたら、そりゃあ塩対応になってしまうときだってありますよ。

公表してないことを質問されても「答えられません」としか言えないですし、それを塩対応と言われてもしょうがないですよ。

何回も問い合わせがきても困るから、メールでは淡々とそっけないお返事を書かなければいけなかったりもしますよ。

でもね、私もあなたも悪くないと思います。それがIRというものだから。

最後に、株式投資へのアドバイスがあるとするならば、「まずはIR資料をしっかりと分析しよう!」です。

読み込んで、分析して、競合他社と比較してみて…。そうして出てきた疑問点を、IRに質問するのが一番賢いと思います。

IRへ問い合わせるかどうかは、投資家や株主の方の自由です。常識の範囲内で、うまく活用してもらえればいいなと思います。

ことり

最後まで読んでくださってありがとうございました。この記事に対して、どこかからクレームが来ないことを祈っています…

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