台風被害にあったら税金が免除される!雑損控除と災害減免法

台風被害 雑損控除

先日の台風19号といい、9月に千葉を襲った台風15号といい、最近の台風被害は尋常ではありませんね…。

台風で被害を受けた方に心よりお見舞い申し上げます。どうか一刻も早く復旧が進むことを願っております。

ここでは、台風による様々な被害に遭われた方々の経済的負担を少しでも減らすことができればと思い、ファイナンシャルプランナー資格をもつ私から、税金の負担を少なくする方法をご紹介します。

今はそれどころじゃない…という方も多いかもしれませんが、証拠書類が必要になったりするので、ぜひチェックしてみてくださいね。

台風被害は税金控除ができます!

まず第一に、台風被害に遭われた方は「火災保険」「自動車保険」から保険金を受け取るための手続きを進めていると思います。

台風のように、同じ地域に被害が集中した場合は、保険金がおりるまでに少し時間がかかるかと思いますが、手続きで使用した書類はできるだけ保管するようにしてください。

なぜなら、税金を減らすことができるかもしれないからです。

災害によって損害を受けたときには、以下の2つの税金の軽減制度があります。

  1. 雑損控除
  2. 災害減免法

どちらも台風被害が対象になる制度なのですが、税金を減らすための計算方法などが少し違います。

税金というと難しさを感じる人が多いかもしれませんが、「どちらの方法が税金を安くできるのか?」が分かるようにポイントを整理しながらお伝えしていきますね。

台風被害での雑損控除

雑損控除(ざっそんこうじょ)とは、台風による風水害などの自然災害はもちろん、火災や盗難などの被害に遭ったときにも使える「税金の負担を減らす」ことができる制度です。

雑損控除「損害の原因」

次のいずれかの場合に限られます。
1. (1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
2. (2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
3. (3) 害虫などの生物による異常な災害
4. (4) 盗難
5. (5) 横領
なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

損害の対象とされる資産

あなたとあなたの家族が所有する生活に通常必要な資産が対象になります。

 

(例)住宅、家具や家電、衣類、現金、生活用の自動車など

対象とならないのは、別荘、趣味で保有している自動車、30万円を超える貴金属や美術品などの贅沢品です。

つまり、基本的な家の中にあるものが損害を受けていれば、その分が税金控除の対象になるんです。台風で被害を受けた屋根修理の費用自動車の損害割れた窓ガラスの修理費壊れたエアコンや室外機の価額なども含まれます。

税金はいくら軽減される?

雑損控除の金額は、次のどちらか高いほうです。この金額を、税金を計算する元となる所得からマイナスします(所得控除)。

  1. 被害額 ー 総所得の10%
  2. 5万円を超える災害関連支出

※被害額には、保険がおりた分は差し引かれます。
※災害関連支出には、撤去費用や取り壊し費用など災害に関わったお金が含まれます。 

パッと見ただけでは少し難しく感じる方もいると思うので、具体例をご紹介します。

具体例

【状況】
・台風の影響で自宅と家財に約100万円の被害があった
・壊れた家財の撤去費用など30万円かかった
・保険金が45万円おりた
・総所得金額は500万円

①(100万円+30万円ー45万円)ー500万円×10%=35万円
②  30万円ー5万円=25万円

①35万円と②25万円を比較して高い金額の①35万円が雑損控除の金額となります。

MEMO

少しややこしいのですが、35万円分の税金が免除されるわけではありません。

税金を計算する元となる「所得」から控除する(35万円減額する)ことになります。

所得税・住民税の税率があわせて20%くらいだと仮定すると、雑損控除35万円で減らすことができる税金の金額は7万円という計算になります。

また、雑損控除の金額が所得金額よりも大きくなるようなときは、3年間にわたって控除することができます。被害額が大きい場合は、とても助かる制度のはずです。

参考 国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」

台風被害での災害減免法

災害減免法(さいがいげんめんほう)とは、台風による風水害などの災害で損失が出た場合のみ「税金の負担を減らす」ことができる制度です。

災害減免法「損害の原因」

災害による損失

なお、災害減免法では所得が1,000万円を超える人には適用されません。その場合は、雑損控除を選ぶことになります。

損害の対象とされる資産

住宅又は家財の損失額(資産に生じた損害金額から保険金や損害賠償金などによって補てんされる金額を控除した金額)が、その価額の2分の1以上である場合

災害減免法でも、「住宅」か「家財(生活に通常必要な資産)」が対象とされており、雑損控除とほぼ同じ内容です。

しかし、損失額がもとの価額の半分以上という条件がついています。(しかも、保険金がおりた金額は除かないといけません)

例えば、住宅の時価が2,000万円だったときに、損害額は1,000万円だったけれど、保険金が500万円おりたので、実質負担は500万円だった、となると、災害減免法は選ぶことができません。

損害額が大きく、保険金でもほとんどまかなうことができなかったときに選べる方法、と覚えておいてもいいかもしれません。

税金はいくら軽減される?

災害減免法で減らすことができる税金の金額は、あなたの所得金額によって変わってきます。

所得が500万円以下所得税の額の全額
所得が501万円~750万円以下所得税の額の2分の1
所得が751万円~1,000万円以下所得税の額の4分の1
所得が1,000万円を超える災害減免法の対象外

ざっくりいえば、所得が低いのに大きな被害を受けた人は、所得税は全額免除でいいよ!ってことです。

一方で、それなりに所得がある人は、被害は大きくても多少カバーできるよね?だから、税金も少しは払ってね?って感じになってます。

では、実際どれくらいの金額が安くなるのか?具体的なケースで見てみましょう。

具体例

【状況】
・台風の影響で自宅や家財(3,000万円相当)に約2,000万円の被害があった
・壊れた家財の撤去費用などは別途かかった
・保険金が500万円おりた
・総所得金額は500万円

損害2,000万円ー保険金500万円=実質1,500万円

⇒もともとの資産の半分以上の損失が出たので、災害減免法がつかえる!

⇒所得が500万円以下なので、今年の所得税は全額免除!

MEMO

ただ、火災保険にしっかり入っている人ならば、十分な保険金が支払われるケースが多いと思います。

そのため、災害減免法はそもそも適用されない、というケースもあります。

一方で、被害が大きく災害減免法を適用できる場合は、所得500万円以下なら所得税がすべて免除となります。これはかなりデカイので、適用されるかどうか一度チェックしてみてくださいね。

参考 国税庁「No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除」

税金控除には確定申告が必要!

ここまでお伝えした「雑損控除」と「災害減免法」の軽減制度ですが、この控除を受けるためには確定申告をしなければなりません。

確定申告は自己申告制です。

あなたが自分から情報を取りにいかなければ、だ~れも税金控除のことなんか教えてくれないし、手続きもしてもらえないんです。

あまりにも不親切だなぁと思います…。

とはいえ、泣いていても仕方がありません!

まだまだ台風被害の影響が残っていて、確定申告のことなんか考えてられない状況かもしれません。

ただ、確定申告は翌年の2月16日~3月15日までに行えばいいので、あせらずしっかり備えておきましょう。

まずは、書類の保管!特に雑損控除は、証明書や領収書など必要書類が多いです。

台風被害で修理をしたり、撤去したり、保険金をもらったりとお金の出入りがあったときは、かならず明細と領収書を発行してもらって、取って置くようにしてくださいね。

きちんと整理しておくのは難しいでしょうから、とりあえずまとめて保管しておけばOK!確定申告の時期になったら、あらためて情報収集をしたり、困ったときは各自治体の税務相談に持ち込んじゃいましょう。

【確定申告】雑損控除の必要書類

・災害関連の支出に関しては領収書、火災は消防署、盗難は警察が発行する被害額届出用の証明書
・給与所得者は源泉徴収票
・災害時のやむを得ない支出については領収書

【確定申告】災害減免法の必要書類

・損失額の明細書のみ

台風被害では自治体の減免制度も要チェック!

大規模な自然災害が発生した場合、各地方自治体で独自の減免制度をつくって住民税の負担を減らしたり、納税期間を延長するなどのフォローをしてくれるケースも多いです。

ただ、あくまで税金は「自己申告制」なので、自ら情報を取りにいかないといけなかったりするんですよね…。

(もちろん、積極的に広報をして、住民の経済的負担を減らそうとしてくれる地域もあります!)

台風被害にあった年は、税金が軽減されることを覚えておく
とりあえず書類は保管しておく
確定申告の時期になったら、あらためて情報収集をする

被災した方々の経済的負担は計り知れないものがあると思います。

税理士法で、ファイナンシャルプランナーが個別の税金計算をすることは禁止されていますが、何か気になることがあれば、コメント欄やお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

少しでも、負担を減らすためのお役に立てれば幸いです。

保険金をもらい損ねていませんか?

「台風被害で保険金がおりたけれど、正しく評価された金額なのか心配…」

「台風のあと、ちょっとした屋根の破損を発見…。これって火災保険の対象になる?」

そんな不安を抱えていませんか?

どうしても保険会社が信用できないときってあると思います。そんなとき、無料で調査してもらえるサービスがあるのをご存知ですか?

ほけん申請110番というサービスなのですが、災害後の自宅の被害状況を細かくチェックしてくれて、正しく保険金を受け取れるようにサポートしてくれます。調査をお願いして保険金をもらえた方の平均実績は80万円だそうです。

調査費用や相談費用としてお金がかかることは一切ありませんので、気軽に相談してみてくださいね。

▼「ほけん申請110番」のサービス内容はこちら▼

 

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