新米ママ
妊婦健診や分娩費用などで医療費が多くかかった年は、確定申告の医療費控除をすれば税金の一部が戻ってきます。
この医療費控除ですが、対象になるものならないものがあり、初めて申告をする人にとっては少し分かりづらくなっています。
ことり
帝王切開や無痛分娩にかかった費用は?自由診療や自費検査は?保険適用外の不妊治療も対象になる?新生児にまつわる医療費はどこまでが対象?などなど。
妊娠出産を経験したからこそ分かる、あんな費用やこんな費用が、医療費控除の対象になるのか細かく具体的にまとめました。確定申告前に、対象になるものに漏れがないかチェックしてみてください。
PICK UP!▼妊娠・出産費用の医療費控除をする前にチェック!
医療費控除で妊婦健診のお金を取り戻す!対象から書き方まで分かりやすく解説
出産費用は医療費控除の対象
医療費控除とは、1年間の家族分の医療費が合計10万円を超えた時に、確定申告をすることで税金の一部が戻ってくる仕組みのことです。(所得が200万円未満の人は、医療費が所得の5%を超えればOK)
ことり
妊娠や出産にかかる費用は、保険適用外(自費診療)のものも多いですが、医療費控除では対象になるものがほとんどですので、10万円を超えるときにはぜひ申告をしてみましょう。
ちなみに、国税庁から公式に発表している「出産費用の具体例」にはこんな内容が書かれています。(分かりやすいように表現を簡単にしています)
- 妊娠中の定期検診や検査、通院費用
- 出産で入院するときのタクシー代
- 里帰り出産の帰省費用は対象外
- 入院中の日用品代は対象外
- 入院中の食事代は対象。出前とか外食したら対象外
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ことり
そこで、もっと具体的に、もっといろんな費用について、医療費控除の対象になるかどうかをまとめてみました。
あなたが負担したお金のうち、どれが医療費控除として認められるのか、いくら申告できるのか、漏れがないようにチェックしていきましょう。
対象になる出産費用
ことり
【OK】妊娠中にかかる費用
・妊婦健診(妊婦検診)
・超音波検査、エコー検査(ただし、任意の4Dエコーなどを受けたときにDVDにする費用は対象外)
・妊娠中のトラブルでの受診費用
・助産師外来
・NST検査、ノンストレス検査
・通院のための交通費(公共交通機関に限る)
・緊急時のタクシー代
・転院のための紹介状にかかる文書料
【OK】出産(分娩)にかかる費用
・分娩費用(普通分娩、無痛分娩、帝王切開すべてが対象)
・手術費用
・助産師による分娩の介助費
・入院費用
・入院中の食事代(ただし自己判断で出前を取ったり外食した費用は対象外)
・入院中の治療に必要なガーゼ代、傷薬、水まくら代など(医師の指示により購入したもので、かつ、病院で購入したものに限ります)
・入院中、病院が用意したシーツや枕カバーのクリーニング代
・入院、退院時の交通費
・入院中の付き添いをお願いしたときの費用(保険婦など。親族などの付き添いは対象外)
【OK】出産後にかかる費用
・産後1ヵ月健診
・母乳外来(乳腺炎など母乳トラブルの治療目的)
・助産師による新生児の保健指導や産後ケア、母乳指導など
・出産後の産褥入院
【OK】そのほかの費用
・病院で処方された薬
・薬局やドラッグストアで購入した市販薬(ただし、健康促進のためのサプリメントなどは対象外)
・不妊治療費(人工授精や体外受精の費用も対象)
・赤ちゃんの入院費
・赤ちゃんの通院にかかるママの交通費
・歯の治療費
・治療のためのはり灸・マッサージ代(健康促進やリラックス目的は対象外)
・メルシーポットなどの電動鼻水吸引器
医療費控除でのメルシーポットの取り扱いについて、別の記事で詳しく解説しています。
>>メルシーポットが医療費控除の対象に!書き方や区分を分かりやすく解説
対象外の出産費用
ことり
【NG】妊娠中にかかる費用
・自家用車での通院時のガソリン代、駐車場代(病院の駐車場であっても対象外)
・里帰り出産で帰省するときの交通費や宿泊費
・葉酸や鉄分などのサプリメント代(ただし、医師に処方されたものは対象になる)
・栄養補助食品、栄養ドリンクなど
・母親学級の参加費
・両親学級の参加費
・無痛分娩セミナーの受講料
・マタニティースイミングやマタニティヨガ
・腹帯
・出生前診断や羊水検査(検査の結果、医療的処置をした場合は対象になる)
・妊婦用下着代
【NG】出産(分娩)にかかる費用
・入院中の差額ベッド代、個室代(病院からの指定であっても、同意書を書いている場合は対象外)
・入院中のパジャマや寝巻き、洗面用具などの身の回り品の購入費用、レンタル代、クリーニング代
・入院中のテレビや冷蔵庫の使用料金、賃借料
・出生届や診断書のための文書料
・立ち合い出産時の夫の交通費
・母親が入院中の家事代行費用など
【NG】出産後にかかる費用
・母乳外来、母乳マッサージ(母乳の出を良くする目的)
・母乳パット
・赤ちゃんのおむつ代、ミルク代
・哺乳瓶や消毒液など
・母乳パック(母乳保存袋)
・搾乳機(赤ちゃんが入院中で必要などの理由があっても、原則対象外)
・乳頭保護器(痛みの軽減が目的のため、原則対象外)
・産後療養中の家事代行、ヘルパーさんの費用(ただし、母親の療養のための介助のみが目的の場合は対象になる)
・産後の骨盤矯正(鍼灸師、柔道整復師などの専門家による治療目的の施術は対象になるケースがあります)
【NG】そのほかの費用
・妊娠検査薬代
・排卵検査薬代
・婦人体温計
・男女産み分けの薬、漢方薬、サプリメント
・医師の処方以外の漢方薬
・骨盤ベルト(医師から購入の指示があった場合、認められることがあります)
・医師に対する謝礼
・病児保育
・任意の予防接種費用(インフルエンザやロタなど)
・赤ちゃんの任意のアレルギー検査、血液検査
出産費用から差し引くもの
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出産については、なるべく経済的負担が少なくなるように、健康保険組合や自治体などから助成金が支給される人がほとんどです。
このように、出産費用に対して支給されたお金については、医療費控除の申告時に医療費から差し引いて、実際に負担した額を計算しなければいけません。
以下のお金については、医療費控除では「補てんされる金額」として出産費用から差し引きます。
- 出産育児一時金(出産一時金)【42万円】
- 出産育児一時金の付加金
- 高額療養費
- 医療保険などの保険金
- そのほか、出産費用に対して支給される助成金
医療費控除で差し引くお金(補填金)については、代表的な「出産一時金」を中心に以下の記事で詳しく解説しています。
>>医療費控除 出産一時金と出産費用の差額の書き方を分かりやすく解説!
医療費控除で扱いに迷うもの
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出産手当金の他にも、分娩予約金や出産祝い手当など、医療費控除で申告すべきかの判断が難しいお金があります。ひとつずつ確認していきましょう。
出産手当金
会社員や公務員として働くママは、勤務先の健康保険から「出産手当金」が支給されますよね。おおむね給与の2/3くらいの金額がもらえます。
この出産手当金は、産休で休職した分のお給料を補てんするために支給されるお金です。一方で、出産育児一時金は、出産費用を補てんするために支給されるお金です。
そのため、給与の補填金である出産手当金は、医療費控除で申告する必要はありません。
会社から支給された出産祝い手当
会社から、出産祝いとして手当金が支給されることがあるかもしれません。
このお金はあくまでお祝い金ですので、出産費用とは関係ありません。そのため、医療費控除で申告する必要はありません。
分娩予約金、出産予約金
病院に分娩予約をしたときに、「分娩予約金」や「出産予約金」を支払うケースも多いと思います。
このお金は、出産費用に対する前払い金です。支払ったタイミングでは、まだ医療費として精算されておらず、預り金としての扱いになっています。支払時には、領収書ではなく預かり証などを発行されるはずです。
そのため、分娩予約金については、支払った時を基準に考えるのではなく、出産を終えて退院時のお会計で精算された時を基準に考えます。
ことり
出産費用の医療費控除まとめ
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妊娠出産にかかる費用の多くが、医療費控除の対象になります。「これは対象になるかな?」と思ったら、確認してみることをおすすめします。
また、病院に支払ったお金であっても、医療費控除の対象外になるものも多いので間違えないように注意してくださいね。
▼妊娠・出産費用の医療費控除ならこちらの記事もチェック!
出産費用等が補填金によって0円の場合、医療費の明細書への記入はしなくても良いでしょうか?
それとも相殺する内容で載せた方が良いのでしょうか?
匿名希望さま
ご質問ありがとうございます。
ブログ運営者の “ことり” です(*^-^*)
>出産費用等が補填金によって0円の場合、医療費の明細書への記入はしなくても良いでしょうか?
基本的には、その年にかかった医療費はすべて記入したほうが誤解がありません。補てん金により「実質0円」であっても明細書へは書いておきましょう。(ただし、書かないからといって何か指摘があるか…と言われると、医療費控除の金額に影響がないため問題にはならないと思います。)
確定申告は細かい部分でつまずくことも多いと思いますが、無事に申告が終わりますように。
ことり
出産費用の中に含まれていた以下のものは医療費控除の対象になるのでしょうか?
①先天性代謝異常検査料(新生児マススクリーニング検査)
②聴覚検査料
③産科医療補償制度加入掛金
もしお分かりでしたら教えていただきたいです
匿名さま
コメントありがとうございます。
ブログ運営者のことりです。
詳しくはお近くの税務署で確認されることをおすすめしますが
一般的にはこのようなかたちになるかと思います。
>①先天性代謝異常検査料(新生児マススクリーニング検査)
>②聴覚検査料
出産後の入院中や、
産後1ヶ月健診に合わせて行われたものなどは
医療費控除の対象になるかと思います。
>③産科医療補償制度加入掛金
こちらも出産に関するお金として、対象になるかと思います。
あくまで一般的な見解になりますので
参考程度にしていただき
ご自身でもあらためてご確認いただければと思います。
慣れない作業で大変かと思いますが
がんばってくださいね!
ことり