主婦
家族でたくさんの医療費がかかった年は、確定申告をすることで税金の一部が戻ってきます。これを医療費控除と言いますが、薬局やドラッグストアで購入した薬も対象になります。
しかし、ドラッグストアで購入したもの全てが認められるわけではなく、中には判断が難しいものもあります。
今回は、花粉症や風邪、インフルエンザなどでよく使う「マスク」代が医療費控除として認められるのかをご紹介します。
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医療費控除で認められるもの
医療費控除では、病院の医療費だけでなく、薬局やドラッグストアで購入した薬代についても含めることができるルールになっています。
しかし、ドラッグストアで購入したものすべてが医療費控除の対象になるわけではありません。
医療費控除として認められるのは、あくまで「病気の治療のために必要な費用」のみ。
そのため、風邪薬などはOKですが、病気の予防や健康増進のために買ったサプリメントや栄養ドリンクは医療費控除として認められません。
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マスクは医療費控除の対象外になるのが基本
結論からお伝えすると、基本的に「マスク」は医療費控除として認められません。
なぜなら、マスクは「病気の予防」のために使用することがほとんどだからです。
これは、ドラッグストアやコンビニなどの購入場所に関係なく、また、不織布製マスクや高性能マスクなどの種類も関係ありません。
具体的な例を挙げると、
- 風邪をひいたのでマスクを購入した
- 花粉症がひどく、症状を悪化させないためにマスクを購入した
- インフルエンザの流行シーズンになり、感染予防のためにマスクを購入した
このようなケースでは、すべて「治療に直接必要な費用」とは認められず、「病気の予防」のためにマスクを購入したと判断されてしまうんです。
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例外もある
ただし、マスク代の中には、例外的に医療費控除が認められるケースがあります。
それは、お医者さんからマスクを着けるように言われたとき、です。
例えば、インフルエンザに感染してしまった場合、病院で「療養中はマスクを着けるように」と医師に指示されることがあります。
この場合は、「医師が治療に必要と判断した」ためマスクを購入したことになります。そのため、マスク代が医療費控除として認められます。
インフルエンザ以外の病気であっても、医師の指示を受けて治療のためにマスクを着用する必要があった場合は、医療費控除として認められる可能性が高いです。
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自己判断では認められないケースが多いので、医師からの指示があったかどうかはひとつの基準になります。
マスクは医薬品ではない
ちなみに、医療費控除の対象になるものについて、国税庁では以下のように定めています。
No.1122 医療費控除の対象となる医療費
2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価
そう。「医薬品」とはっきり書いてあるんですね。
マスクは、薬事法の「医薬品」には該当せず「雑貨品」の扱いになっています。この点からも、マスクを医療費控除として認めてもらうのは、なかなか難しいということが分かりますね。
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そのため、薬事法で「医薬品」とされていなくても医療費控除の対象になるものもあります。
ちょっとした余談ですが、2020年は中国の武漢市を中心に新型肺炎コロナウイルスが大流行していますよね。勤務先でマスク着用が推奨されているところも多いようですが、このようなケースでもマスクは医療費控除の対象外なのでご注意くださいね。(あくまで予防目的とみなされます)
ただし、会社がマスクを購入して従業員に配布している場合は、常備薬と同じ扱いになるんですよね。なんだかしっくりこないなぁ…
領収書保管の注意点
あなたが購入したマスクが「絶対治療に必要なんだ!」となった場合。
確定申告で医療費控除を申請することになりますが、一緒に領収書やレシートを提出する必要はありません。
その代わり、「医療費控除の明細書」を作成するか「医療費のお知らせ」を提出し、領収書の原本は自宅で5年間保存することになります。
このとき注意してほしいのが、マスクを何のために購入したのかが分かるようにしておく必要がある、ということです。
基本的にマスク代は医療費控除の対象外ですから、万が一税務調査などがあったときに認めてもらえない可能性が高いです。
そこで、マスクを買ったときのレシートや領収書に、手書きで良いので「○○の治療のために購入」とメモしておくようにしましょう。
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マスクの医療費控除まとめ
基本的には医療費控除として認めてもらうのが難しいマスク代ですが、「治療のために必要」と説明できれば認められるケースもある、というのは覚えておくといいですよ。
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なお、ここでは一般的なケースを説明させていただきましたが、それでも判断に迷うケースもあると思います。(税金関連の話は、ケースバイケースなことも多いので…)
そんなときは、お住いの税務署の相談窓口に問い合わせをしたり、税理士に相談をするようにしてくださいね。
確定申告の時期には、一般の人でも気軽に税理士に相談ができる相談会なども開催されているのでチェックしてみましょう。