今年こそ確定申告でe-Taxをやるぞ!と意気込んでいたのに、調べ始めたしょっぱなからつまずいていませんか?
e-Taxの2種類のやり方では、どちらがいいのか分かりにくいと思います。
そこで今回のe-Tax講座では、「マイナンバーカード方式」と「IDパスワード方式」の違いを分かりやすく解説していきます。
それぞれの違い、特徴、メリットデメリットなどを踏まえて、あなたに合うのはどっちの方法なのかをご紹介します。
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2つの方式の主な違い
もっとe-Taxを使いやすく!という趣旨で、2019年1月からe-Taxには2つの方式ができました。
それが、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」です。国税庁の公式サイトでは、こんなイメージ画像で紹介されています↓
(画像元:国税庁e-Tax:e-Tax利用の簡便化の概要について)
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2つの方式の主な違いはこんな感じです。
・マイナンバーカードとICカードリーダーが必要
・事前準備の手続きを省略できる
・マイナンバーカードもICカードリーダーもいらない!
・事前に税務署で本人確認をしないといけない
これだけ見ると、マイナンバーカードを持っていない人は「ID・パスワード方式」がいいのかな~とか、税務署に行きたくない人は「マイナンバーカード方式」をやるしかないのかな~とか、なんとなくイメージしていただけると思います。
でも!
実は、この画像だけは分からないメリット・デメリットがあったり、「あなたはマイナンバーカード方式しか使えません!」というケースがあったりするんです。
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マイナンバーカード方式のメリットデメリット
マイナンバーカード方式とは
マイナンバーカードを用いてマイナポータル経由又はe-Taxホームページなどからe-Taxへログインするだけで、より簡単にe-Taxの利用を開始し、 申告等データの送信を行うことが可能です。
(引用元:国税庁e-Tax)
要は、マイナンバーカードを使えば、自宅のパソコンから簡単に確定申告ができますよ~というのがマイナンバーカード方式のe-Taxです。
メリット
マイナンバーカード方式のメリットは以下のとおりです。
■確定申告がパソコンやスマホで完結!
マイナンバーカードさえもっていれば、確定申告の手続きがすべてパソコン(もしくはスマホ)で完結できちゃいます。書類をわざわざ印刷する必要もありません。
■本人確認や開始届出書の提出が不要!
マイナバーカードには、ICチップの中に「電子証明書」というものが内蔵されています。ここに、個人情報がいろいろと入っているので、わざわざ本人確認をする必要がないんです。
■申告データの入力を一部省略できる!
マイナンバーカードを読み込むだけで、一部のデータがそのまま反映されるようになっています。申告時に名前や住所を入力する手間が省けるのはラクチン♪(ただし、初期設定では入力が必要なことがあります)
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デメリット
一方で、マイナンバーカード方式のデメリットは以下のとおりです。
■マイナンバーカードとICカードリーダーが必要
マイナンバーカード方式の最大のデメリットは、必要なものが多いこと。マイナンバーカードは発行するまでに1ヶ月くらいかかるし、ICカードリーダーも自費で購入しなければいけません。
これがめんどくさくて、ID・パスワード方式を選ぶ人も多いです。
■パソコンの事前セットアップが必要
e-Taxをパソコンで利用する場合、事前セットアップとしてソフトウェアのインストールなどが必要になります。それほど難しい手続きではありませんし、初回だけなのですが、e-Taxを始めるときの壁になってしまっています。
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IDパスワード方式のメリットデメリット
続いでは、ID・パスワード方式についてご紹介します!
ID・パスワード方式とは
「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたe-Tax用のID・パスワードを利用して、「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxを行う方法です。
(引用元:国税庁e-Tax)
まだまだマイナンバーカードが普及していない中、少しでも多くの人にe-Taxを利用してもらおうと誕生したのが「ID・パスワード方式」です。e-Taxの手続きには、事前に発行したIDとパスワードを使えばOKで、特別なものが必要ないという特徴があります。
メリット
ID・パスワード方式のメリットは以下のとおりです。
■マイナンバーカードとICカードリーダーが不要
最大の特徴は、マイナンバーカードもICカードリーダーも必要ないこと!事前にIDとパスワードを発行してもらえば、それを入力するだけでe-Taxを使うことができます。このおかげで、e-Taxのハードルがぐぐっと下がりました。
■手数料無料&即日発行
急いで確定申告をしたい!という人に嬉しいのが、IDパスワードは、税務署に行けば即日発行してもらえるという点。「ID・パスワード方式の届出完了通知」「利用者識別番号等の通知」というものを発行してもらいます。マイナンバーカードは発行に1ヶ月以上かかるので、それに比べたらめっちゃ早い。
■事前準備は税務署で行うから安心
IDパスワード発行のために、e-Taxを利用するための事前準備や開始届出書の提出といった手続きを、税務署の職員さんに見守られながら行うことができます。
手続きとかちょっと苦手…という人には、すぐ相談できるのがありがたいですね。
デメリット
■税務署に行かないといけない
IDとパスワードは、本人が直接、税務署へ行かないともらうことができません。なぜなら、マイナンバーカードの代わりに本人確認を厳密に行う必要があるからです。近くに税務署がない人にとっては、かなり面倒かと思います。
手続き自体は5~10分程度で完了する簡単なものです。
ちなみに、確定申告の提出先である管轄の税務署以外でも発行ができるので、自宅の近くや勤務先の近くなど行きやすい場所にある税務署で手続きが行えます。
■確定申告ソフトで作成したデータは使えない
ID・パスワード方式を利用する場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というサイトで確定申告書を作成しなければなりません。
そのため、個人事業主の方などで、会計ソフトや確定申告ソフトを使って作成したデータはアップロードすることができません。
■メッセージボックス機能が使えない
e-Taxサイトには、確定申告書の提出以外にもいくつか機能が備わっています。そのうち、メッセージボックス機能が利用できません。ただ、必要最低限の通知は閲覧できますし、メッセージボックスが使えないからといって不便を感じることはないと思います。
■いつまで使えるか分からない
ID・パスワード方式は、マイナンバーカードとICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応とされています。
いつまでとは明記されていませんが、3年をめどに廃止と言われています。つまり、2022年頃でマイナンバーカード方式に一本化されるかもしれないんです。
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実はどちらも同じ特徴
マイナンバーカード方式でも、ID・パスワード方式でも変わらないことがあるので、その点についてもご紹介しておきますね。
■スマホから確定申告ができる
e-Taxでは、スマートフォンやタブレットからも確定申告書の作成ができます。これは、どちらの方式でも可能です。ラクチンですね~♪
iPhoneなどのスマホからe-Taxをやる場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして、確定申告書を作成していきます。
ただ、今のところスマホからの申告は「会社員(給与所得者)」がメインの対象となっていて、
・医療費控除
・ふるさと納税の寄付金控除
・副業の雑所得
などを申告するケースが前提となっています。
個人事業主は利用できませんのでご注意ください。
■ID・パスワードの管理
ID・パスワード方式だと、パスワードを忘れてしまいそう…という声を聞きますが、実はマイナンバーカード方式でも同じことなんです。
・ID=利用者識別番号
・パスワード=暗証番号
として、マイナンバーカード方式でも管理が必要になっています。(ただし、利用者識別番号は入力を省略できたりもします)
結局どっちがいいの?
どちらの方式にもメリットデメリットがあるので、自分はどっちがいいのかな?と迷ってしまう人もいますよね。
そこで、どちらの方式がどんな人に向いているのかをまとめてみました。
■マイナンバーカード方式を選んだほうがいいのはこんな人!
- すでにマイナンバーカードを持っている人
- 個人事業主で、事業所得の確定申告をする人
- 毎年、確定申告が必要な人
- 税務署に行きたくない人
■ID・パスワード方式を選んだ方がいいのはこんな人!
- 20万円未満の副収入(雑所得)を申告する人
- 医療費控除やふるさと納税の寄付金控除を申告する人
- 今年だけ確定申告が必要な人
- マイナンバーカードを作りたくない人
ざっくりですが、こんなイメージです!自分はどちらの方式にしようかな?と迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。
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さいごに
初めてのe-Taxでは、分からないこともたくさん出てくるかもしれません。
まさに私も同じ苦労をした1人…。
e-Taxって便利らしいよ♪と聞いて、いざやってみたものの、「コレは何?」「どっちがいいの?」「どうやって設定するの?」と何度もつまずきました。
国税庁が、もっと分かりやすいサイトを作ってくれたらいいのにー!(いえ、今でも十分分かりやすいとは思うんですけどね。もうちょっと初心者に優しいといいなぁって…)
だからこそ、私のブログでは初めてマイナンバーカード方式でe-Taxをする人に向けて「初めてのe-Tax講座」として、図解付きで手順を解説しています。
もしあなたがマイナンバーカード方式のe-Taxを始めるなら、きっとお役に立てるはずです。ぜひ読んでみてくださいね。