通帳を紛失して悪用された事例5つ!不正利用を補償してもらうには?

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通帳 紛失 悪用

「通帳を紛失してしまいました。悪用されたりしないか不安です。」

銀行の預金通帳を落としたり、どこかで失くしてしまったとき、悪い人の手に渡って悪用されたりしないだろうか?と気になってしまいますよね。

通帳って無くしたらどうなるの?
通帳だけでも現金を引き出されたり、不正利用されることってあるの?
何か悪用されたり、犯罪に巻き込まれることはあるの?

はい。失くしたのが通帳だけでも、悪用される可能性はあります!

ここでは、通帳だけで可能な手続きを踏まえながら、紛失した通帳を悪用された具体的事例をご紹介します。

通帳がなくても困ることがないからといって、放置しておくのは危険です。紛失時にやるべきことや、万が一不正利用された場合の対処法についてもお伝えしていきます。

通帳を落とした!悪用される可能性は?

通帳には、個人情報や預金残高が書かれています。とても大切な情報だからこそ、誰かの手に渡ってしまったら、どんな使い方をされるのか不安になってしまいますよね。

まずは「通帳だけ」で、どこまでのことができるのか確認してみましょう。

現金の引き出し

通帳 紛失 悪用

銀行の窓口では、通帳を使って現金の引き出し手続きが可能です。しかし、通帳と一緒に必ず印鑑が必要です。

この印鑑は、口座開設時に登録した銀行印でなければなりません。そのため、他人が通帳だけで現金の引き出しをするのはほぼ不可能です。

なお、ATMではキャッシュカードがなければ現金の引き出しができないようになっています。通帳だけでATMから預金を下ろすことはできません。

印鑑の変更手続きをされる可能性

では、銀行印の変更手続きをされてしまったら、不正に現金を引き出されてしまうのでしょうか?

印鑑の変更手続きには、必ず本人確認ができる身分証明書の提示が必要です。

そのため、勝手に銀行印を変更される可能性は極めて低いので、安心して大丈夫です。

ただし、通帳と一緒に運転免許証なども紛失した場合は注意が必要です。すぐに銀行と警察へ届け出てください。

ゆうちょ銀行の現金引出は印鑑不要

ゆうちょ銀行の通帳を紛失した人は注意してください!

ゆうちょ銀行では、印鑑がなくても通帳だけで現金の引き出し手続きが可能です。

しかし、印鑑が不要な代わりに、暗証番号の入力が必須となっています。

そのため、通帳だけで簡単に現金引き出しができるわけではありませんが、暗証番号を推測しやすい数字に設定していたり、通帳に暗証番号をメモしている方は危険です。

口座番号を知られたら悪用される?

では、通帳に記載された口座番号や氏名を知られることで、何か問題になることはあるのでしょうか?

これについても、犯罪に巻き込まれるような可能性は極めて低いのでご安心ください。

口座番号と氏名(口座名義人の名前)からできることは、その銀行口座にお金を振り込むことくらいで、他人に伝えても問題ない情報になっています。(もちろん、個人情報ではあるので、不用意に他人に教えてはいけません。)

「買い物やクレジットカード支払いなどの引き落とし口座に設定され、勝手に残高を利用されてしまう可能性はありませんか?」

これについても、心配はいりません。

銀行口座を引き落とし口座に設定するには、銀行印を押した「預金口座振替依頼書」を作成しなければいけません。通帳や口座番号だけでは手続きできないのでご安心ください。

通帳だけ紛失して悪用された具体的事例5つ

通帳 紛失 悪用

通帳を紛失しただけでは悪用されないように、銀行の手続きは厳重になっています。しかし、それでも犯罪に巻き込まれるケースが発生しているのでご紹介しておきますね。

通帳の印影から偽造印鑑を作られた【悪用事例①】

古い通帳には、裏表紙に銀行印の印影(副印鑑)が載っているものがあります。

この印影から印鑑を偽造し、不正に預金が引き出されるという事件が発生しています。

自宅に入った空き巣によって盗られた通帳により、不正に預金を引き出される事件が発生しています。一緒に保管していた印鑑は盗られていません。犯人が使用した印鑑は、印鑑そのもの、もしくは、通帳裏表紙の副印鑑の印影から偽造したものでした。

(引用元:三井住友銀行「金融犯罪事例」

上記は紛失ではなく空き巣による盗難の事例ですが、あなたが失くした通帳に印影が貼付されていた場合は、このケースに当てはまる可能性があります。

ATMコーナーで暗証番号を見られていた【悪用事例②】

通帳 紛失 悪用

「暗証番号は生年月日などではないし、バレないはず…」と思っていても、実はATMで盗み見をされている可能性があります。

ATMコーナーで出金した際に暗証番号を覗き見され、ATMコーナーを出た後、スリや引ったくりに遭い、キャッシュカードを盗まれ、預金が引き出された事件が発生しています。

(引用元:三井住友銀行「金融犯罪事例」

こちらはキャッシュカードを悪用された事例ですが、ゆうちょ銀行の場合は通帳と暗証番号で現金引き出しが可能ですので、注意が必要です。

個人情報の漏洩【悪用事例③】

通帳には名義人の名前と口座番号が書かれていますが、それ以外にも、入出金履歴から個人情報がバレてしまう可能性があります。

例えば、その銀行口座に給与振り込みがあれば、勤務先が分かってしまいます。勤務先が分かれば、そこから電話番号や自宅住所にたどり着かれる可能性も…。

このご時世、個人情報は何にどう使われるか分かりません。特に、不審な電話やメールなどには注意するようにしましょう。

オレオレ詐欺・振り込め詐欺【悪用事例④】

先ほど、通帳に記載された口座番号と氏名だけでは悪用される可能性が低い、と書きました。

しかし、通帳が犯罪者の手に渡ってしまうと話は別です。

悪質な第三者の手に渡れば、オレオレ詐欺などの振込先口座として使われるなど、犯罪に利用される可能性もあります。

自分は通帳を失くした被害者なのに、知らないうちに犯罪に加担してしまうなんて恐ろしいですよね。

そのため、通帳を紛失した場合には、すぐに銀行へ届け出ておきましょう。

悪質な手口 押し貸し【悪用事例⑤】

銀行口座を悪用される事例で一番怖いのは、闇金業者による「押し貸し」という手口かもしれません。

押し貸しとは、本人の同意なく、勝手に預金口座にお金を振り込む手法で、その後「貸したお金を利息と一緒に返せ!」と一方的に返済を要求されます。

こんな悪質なことをする業者ですから、もちろん利息も法外です…。

通帳の紛失後は、取引停止などの手続きをするだけでなく、入金履歴を定期的に確認しておくと安心です。

紛失したら対処すべきこと

通帳を紛失しただけならすぐに悪用される可能性は低いですが、それでも大切な個人のお金の情報です。

万が一のこともありますので「まぁ大丈夫かな~」なんて思わず、すぐに適切な対応をしてください!

(1)利用停止

まずは、紛失した通帳の銀行へ問い合わせをして、通帳の利用停止手続きをしてください。

どの銀行も、紛失時は電話やアプリで手続き可能ですし、コールセンターは24時間対応してくれています。

問い合わせ先が分からない時は、インターネットで「銀行名 通帳 紛失」と入力して検索してみてください。

(2)再発行

通帳の利用停止を行った後は、新しい通帳の再発行手続きを行います。

銀行によって異なりますが、再発行手続きは、郵送で対応してくれる銀行と、窓口へ足を運んで手続きをする銀行があります。

なお、再発行手数料として550円~1100円がかかります。

再発行をすると、口座番号のうしろに「-1」などの番号が付くなどして、古い通帳と区別がつくようになります。

(3)警察へ遺失届を出す

通帳 紛失 悪用

少々めんどうに感じるかもしれませんが、通帳を失くしたら、警察へ遺失届を出すようにしましょう。

近所の交番などでも受け付けてくれます。

遺失届では、紛失した通帳の特徴だけでなく、失くした場所や日付、時間などを細かく伝える必要があります。

例えば、『11月11日の10時ごろ、○○駅前のATM(一番右)に置きっぱなしにしてしまった。その日の16時に戻ったときには、すでになかった。』といった感じです。

警察に届け出ることで、もしも不正利用があったときでも防犯カメラの映像を確認するなどして捜査してもらえますし、万が一犯罪に悪用されたときでもすぐに把握してもらえます。

遺失届の提出後、控えとして受理番号を受け取るので、必ず保管しておくようにしましょう。

(4)取引履歴を確認する

通帳を再発行したら、紛失してから利用停止手続きをするまでの間に知らない取引がなかったか確認するようにしましょう。

インターネットなどで取引履歴が確認できる方は、すぐに確認しておくと安心ですね。

また、これをきっかけにWeb通帳・eco通帳などへ切り替えをして、紙の通帳をなくしてしまってもいいかもしれません。

(5)自動引き落としは問題なし

通帳の利用停止手続きをしても、これまでどおり銀行の自動引き落としは行われます。

そのため、クレジットカード会社や銀行振り込みで利用しているサービスなどへ、連絡する必要は特にありません。

悪用された場合の補償について

万が一、預金残高を不正に引き出されたり、勝手に使われてしまった場合には、銀行が被害額を補償してくれる制度があります。

▼例えば、ゆうちょ銀行はこんな感じ
→【ゆうちょ銀行】盗難通帳等による不正払戻被害の補償について

基本的には、「うっかり通帳を失くしてしまった!」「置き忘れてしまい、なくなっていた」というケースは補償の対象になりますので、安心してください。

ただし、補償のための条件として、「速やかに銀行へ届け出ている事」「警察へ届け出ている事」などがあります。

もしものときに補償を受けるためにも、銀行と警察への届け出は行っておきましょう。

通帳を紛失したらすぐに対応を!

通帳だけでできる手続きは限られているものの、そのまま放置しておくと、何かしらの形で悪用される可能性はゼロではありません。

なるべく早く銀行と警察へ届け出をして、しかるべき手続きを行って下さい。それさえやっておけば、ひとまず安心です。

また、「何かあったら不安だから…」と銀行口座を解約したくなる人もいると思いますが、解約することで特別リスクが減ることはありません。気持ちの面で使い続けたくないようでしたら、銀行窓口へ相談してみてくださいね。

具体的事例を知って不安になった方もいるかもしれませんが、これらはごくまれなケースです。通帳の紛失って、全国でみるとけっこうよくあることなんです。

たまたま紛失しただけであれば、冷静に対処しておけば問題ないと思います。

失くした通帳が、優しい人に拾われて交番に預けられていたり、どこかからふと出てきたり…そんなふうに、何事もなく通帳が戻ってくることを願っています。

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